2021/03/14 13:29
こんにちは 焙煎師まこです。
みなさんは木に生ったコーヒーチェリーが収穫されて種の状態になるまでにどんな工程を経ているのかご存知ですか。
コーヒーの果実であるコーヒーチェリーから種の状態に加工することを精製と言い、精製の仕方によって味に大きな影響を与えます
豆を購入する際にも精製方法を見ると大まかな味わいが想像できるので、豆選びの重要なポイントになっています。
コーヒーの精製方法には大きく分けて以下の3種類の方法があります。
・ナチュラルプロセス(非水洗式方法)
・ウォッシュドプロセス(水洗式方法)
・ハニープロセス
【ナチュラルプロセス】
この精製方法ではまず収穫したコーヒーチェリーをパティオと呼ばれる広場に広げ1、2週間ほどかけてじっくりと乾燥させます。
エリアによって高床式のアフリカンベットに広げたり、ドラム式乾燥機などを使ったりなど、乾燥方法は様々です。
そして乾燥して赤黒くなったコーヒーチェリーを脱殻してコーヒーの生豆を取り出して精製完成です。
ナチュラルプロセスではコーヒーチェリーが乾燥する際に果肉が発酵するため、焙煎してからも発酵感のある独特の甘い濃厚な風味がします。
好みは分かれますが好きな人はナチュラルプロセスのコーヒーばかり飲むほど魅了される風味に仕上がります。
精製処理に大量の水がいらず手間がかからないため水源の乏しいエリアでもできて環境にも優しい精製方法です。
【ウォッシュドプロセス】
この精製方法ではまず収穫したコーヒーチェリーをパルパーと呼ばれる果肉を除去する機械にかけます。
そうするとパーチメントと言われる内果皮に覆われた状態のコーヒー(パーチメントコーヒー)が取り出せます。
パーチメントコーヒーの周りにはミューシレージと呼ばれるネバネバの粘液質があり、ミューシレージを取り除くためにパーチメントコーヒーを発酵槽とよばれる水を張られたプールに漬け込みます。
48時間ほど漬け込むと微生物の働きによりミューシレージが自然発酵して洗い流せるようになります。
他にも機械をつかってミューシレージを剝ぎ取る方法もあり、同じウォッシュドでもミューシレージの除去の仕方によって呼び方が変わり、発酵槽に漬け込んでミューシレージを除去したものを「フリーウォッシュド」機械でミューシレージを取り除いたものを「セミウォッシュド」と呼びます。
そして綺麗になったパーチメントコーヒーを水路で洗い流し乾燥させて、パーチメントをはぎ取ると精製完成です
ウォッシュドプロセスでは大量の水を使う必要があり手間もかかりますがそのぶんクリーンでスッキリした味わいに仕上がります。
上記の二つの精製方法のちょうど中間くらいの精製方法がハニープロセスです。
ハニープロセスは次回また詳しく記事にまとめますので楽しみにお待ちください。
農家の方はそれぞれ目指す味わいにあわせて精製方法を決めて試行錯誤しながらコーヒーを精選しています。
コーヒーを飲む際や選ぶ際にはそんな精製方法を意識してそれぞれの特性を楽しみながら自分の好きな精製方法を見つけてみてくださいね。
焙煎師まこ