2025/06/14 15:02


シティオダトーレに位置するマンティケイラデミナスは、質の高いミネラルウォーターの貯水池として国際的に認知されるほど自然と水資源に恵まれた土地です。
コーヒーの生産は標高1100~1300mの山岳地帯で行われており、ブラジルのコーヒー生産地
として特異な環境であるこの美しい山岳地帯と独特の気候条件によって、甘く鮮やかな風味を持つコーヒーが生まれます。
一方で、山岳地帯であるがゆえに、ブラジルの主要生産地域のような大型の機械が導入できず、生産コストを下げることができないハンディキャップを常に抱えてきました。
その為、地域を挙げて徹底した高品質な付加価値の高いスペシャルティコーヒーの生産を志したと言います。
現在スペシャルティコーヒーの生産においてベースとなるグリーンセパレーターを用いた生産処理での選別や、サスペンテッド・パティオでの乾燥への取り組みも早朝から始めており、今では蓄積したノウハウをでブラジルのスペシャルティコーヒーをけん引する名産地として知られています。
こうした地域を挙げて高品質なコーヒー生産への取り組みを可能にした一因として、シティオダトーレも所属している生産者組合Cocariveの存在があります。

高品質を支える環境への配慮
cocariveは1961年に周辺農家で構成された生産者組合で、高品質で付加価値の高いコーヒー生産を行うために設立されました。
半世紀以上の歴史を持つcocariveは、スペシャルティコーヒーの生産価値の高まりとともに存在感を増し、現在1000名以上の組合員で構成されています。
組合の運営においても従業員を雇用し、現在70名がドライミルの運営や農家への肥料の販売、そしてコーヒーの輸出業務まで手がけています。
現在の代表はセ―ハダストレスバハス農園やカクェンジ農園を営む
ラルフ・デ・カストロ・ジュンケイラ氏。
シティオ・ダ・トーレ農園のアルバロ氏も同組合の役員を務めています。
cocariveとは緑・川・谷の意味を持ち、アルバロ氏自身も、人と自然それぞれの営みが融合していることが最も大切で、我々生産者は環境を保護する視点を決して忘れてはならないと語ります。
その言葉が示す通り、シティオ・ダ・トーレ農園は、このポリシーを受け継ぎ、現在まで4世代100年間、自然と共存する土地の恵みを享受し、素晴らしい品質のコーヒーを生産し続けています。

自然との調和を目指して
アルヴァド氏は、4代目のコーヒー生産者で、2002年からスペシャルティコーヒーの生産を開始。品質が良く土着性の高い品種を選び、高品質なコーヒー生産に注力してこられました。
現在、シティオ・ダ・トーレはトータル95ヘクタールの敷地面積があり、新しい品種を試すための試験区画も設けて、常に最良のコーヒーを目指しています。
彼らのゴールはサスティナブルに高品質なコーヒーを提供することです。
彼らが決して忘れないように強く意識していることは、コーヒーは豊かな自然環境により育まれているという事。
農園内には自然保護エリアを設けており、動植物の多様性や水資源の保全に力をいれています。
人々の営みと自然環境の調和こそ持続可能なコーヒー生産を実現すると考え、またそれこそがコーヒー生産の魅力だと語っています。