こんにちは焙煎師まこです。
新しいコーヒー豆のご紹介です。
◆プロフィール
国:ブラジル
地域:エスピリット・サント州
マレシャウ・フロリアーノ
農園名:シティオデニサル
精製:パルプドナチュラル
品種:カツカイ
標高:900〜1050m
以下ワタルコーヒーより
デニサル農園
デニサル農園は、エスピリット・サント州のマレシャウ・フロリアーノという小さく平穏な田舎町に在ります。
現在は、3代目に引き継がれコーヒーを生産するのは、デニサルとチアゴ、2人の兄弟。
彼らは、強い決意を持って農園を変革に導いています。農園が始まったのは60年前。
祖父のホセ氏が農園を開き、父エスタヴァーロ氏の手で、祖父の信念と伝統的な生産手法が受け継がれてきました。
生産したコーヒーは全てナチュラルプロセスを経て、脱穀しない状態で仲介業者に売っていたと言います。
この地の農園は、ブラジルを代表する大農場と違い、小規模農家が多い土地で、彼らの農園もそうした小規模生産者の伝統的な手法に従って生産をしていたそうです。
未来を照らしたスペシャルティコーヒー
そして2011年。息子のデニサルとチアゴから、高品質なスペシャルティコーヒーの生産が提案されたのです。
『品質がきっと家族の未来を明るく照らす』と説得を試み、ナチュラルのみを生産していた小さな農園に2011年にウェットミルを設置。生産工程全てを農園内で一元化できるようになります。
また、この他にも収穫のタイミングやセレクトピッキング、その後の細やかな選別など多くの工程を改善していきました。この抜本的な変化によって生産されたコーヒーは、州のコンテストにおいて高く評価され、スペシャルティコーヒーが家族の未来を明るく照らした決定的瞬間となりました。
また、農園で栽培する品種においても新しい品種へその可能性を見出します。
二人が目を付けた品種は、ブラジル、カンピーナスの農業研究所であるIAC(Instituto Agronómico de Campinas)によって開発されたイカツとカツアイの自然交配品種であるカツカイです。
風味・品質の良さだけでなく、作付け面積や収量、土壌適性など土地との相性にも長けており、地域コンテストでも結果を残しました。
また、このカツカイと共に、カツーラとムンドノーヴォの交配種であるカツアイIAC44を選び、2つの品種を生産する新区画を作り、現在のデニサル農園になっています。
新たな地平を切り開く
彼らは、コーヒーの知識や経営学の勉強。
そして他国の生産地にも積極的に訪問し、ブラジルでは知り得なかった生産手法や発酵工程、生産処理プロセスを学び、新しいアイデアのもと、テストも始めています。
また、コーヒーを取り巻く全ての工程を理解する事は、創意工夫を生み出すきっかけになり、コーヒー生産の新たな地平を切り開くと、現在は焙煎工場を建てマイクロロースターとしても活躍しています。
すべては、コーヒーの可能性と品質の為。
類い稀な行動力とモチベーションで、兄弟二人三脚でコーヒー生産に変革を生み出そうとしています。